皆さんはブラック企業が多い業界と聞かれた時、どの業界を思い出しますか?おそらく多くの方が「飲食業」を思い浮かべるのではないでしょうか?
実際、厚生労働省の「平成29年雇用動向調査」では「宿泊・飲食サービス業」が離職率30%で堂々の(?)1位を記録しています。
つまり、過酷な労働環境に仕事を辞めてしまう人が多いということですね。今回は飲食店にブラック企業が多い理由や、ブラックすぎる実態について紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
今日はもうダメかも…
仕事に行きたくない…。行かなきゃいけないのは分かっていても「心」と「身体」がついていかない…。そんな時は会社に嘘をついてでも休みをとるべきだと思います。
上司や周りの人間はあなたの休みを快く思わないかもしれませんが、あなたの状態はあなた自身が一番わかっているはずです。精神を削られ過ぎて立ち直れなくなる前に対処しましょう。
もうどうしても会社に行くのが嫌なら退職を検討するべきでしょう。もしも自分の口から言えないのであれば「退職代行サービス」を利用してください。あなたの強い味方になってくれるでしょう。
目次
飲食店にブラック企業が多い理由!
まずは飲食店にブラック企業が多くなってしまう理由を紹介しましょう。
まず人手不足が深刻
ご存知の方も多いと思いますが、飲食は人手不足が深刻です。ある調査では飲食業の80%以上が「従業員が不足している」と回答しているほど。もはやチェーン店のほとんどは人手が足りていない状態と言っても過言ではないでしょう。
人手不足が深刻な理由としては以下のようなものが挙げられます。
- 給料が低い
- 拘束時間が長い
- 休日が少ない
- 少子高齢化で若者が少ない
- アルバイトはすぐ辞めてしまう
シンプルに飲食関係は給与の基準が低く、数ある業界の中で最下位レベルと言われています。そのわりに拘束時間は長く休みもとりにくいのですから、辞めてしまう人が多いのは当然でしょう。
「飲食ならアルバイトで大丈夫だし人手は何とかなるんじゃ?」と考える方もいるようですが、そもそも少子高齢化の影響でアルバイトをする若者が減っていますし、アルバイトは数年、長くても7年(高校+大学)くらいで辞めてしまいます。
しかも、辞めた人の代わりを補充しても、その人は右も左も分からない新人なわけですから、研修に人手を割く羽目になり、ただでさえ忙しい仕事が一時的により忙しく…。
そして、その忙しさから辞めてしまう人が出る・・・といった悪循環に陥ってしまいます。
行き過ぎたサービスが従業員にのしかかる!
近年、飲食店でも24時間営業のお店が増えてきましたね。営業時間が長いわりに人手は不足。こうなれば必然的に一人一人の負担は増えてしまいます。
また、牛丼チェーン店などは価格競争も激しく、その煽りで従業員の給料が低くなっているようにも思えます。
加えて、お店によって独自のキャンペーンを打ち出したり、新メニューを増やしたりと、上層部は従業員のことを考えないサービスを続々と決行します。
どれも消費者としてはありがたいものばかりですが、覚えることが増えたりと負担がのしかかる従業員にはたまったものではありません。
こういった事情も飲食にブラック企業が増える要因だと考えられますね。
とおるくん
ゆかりちゃん
飲食店のブラックすぎる実態も確認!
ここからは飲食店のブラックすぎる実態について確認していきましょう。
労働時間が長すぎる
先ほども触れましたが、近年は24時間営業の飲食店も少なくありませんし、24時間でなくとも朝から開店し、23時や24時まで営業しているお店は多いように感じます。
人手が十分に足りていれば、朝から夕方まで、夕方から深夜までなどシフトを分けて働けるものの、人手不足が深刻な現状ではそうもいかず。社員の場合は朝から深夜までの12時間以上拘束も珍しくありません。
また、店長の場合はシフトや金銭の管理などの仕事も入ってきますから、さらに拘束時間は長くなるでしょう。
加えて、チェーンの飲食店は基本的にお昼休憩なども無く、多忙であれば昼食抜きで働き続けることも…。
なお、ブラック企業の中にはお店の近くに寮を用意していることもあります。寮は家賃3万円など格安なことも多く、また通勤が楽になるためメリットが多いようにも感じますが、終電過ぎまで労働を強制されるデメリットも。通勤が大変だから、といった理由から寮や社宅を紹介された時は気をつけてください。
休日がとれない
多忙な飲食店では休日もなかなかとれません。そもそも飲食店は年間休日が少なめで、中には70日前後という、一般的な企業(105~120日くらい)より大幅に少ない日数を設定しているお店も。
有給休暇の申請も「人手が足りないから」等の理由で断られることがあります。
それでいて給料は低い
拘束時間が長く休日が少なくとも報酬が多ければ、まだやりがいがあります。しかし、先ほど触れたように飲食店は給料が低いのも問題です。
国税庁の平成29年「民間給与実態統計調査」によると「宿泊・飲食サービス業」の平均給与は年収253万円でした。つまり、月給は21万円ほど。新卒の給与としては悪くありませんが、20代後半以降の給料としては決して多いとは言えないでしょう。
労働時間が長く、休日がとれず、給料も低い。まさにブラック企業の典型のような存在ですね。これでは人手が足りなくなるのも自業自得でしょう。
疲れからハラスメントに走る人も…
拘束時間の長さや休日の少なさから飲食店に勤める方は疲れやストレスが蓄積。そのせいで常に職場はギスギスしており、パワハラやモラハラといったハラスメント行為に走る人も見られます。
ハラスメント行為については業界に関係なく、どんな職場でも起こりえるものですが、どうにも飲食系のハラスメント報告は多いように感じますね。
疲れやストレスでハラスメント行為が起きる・・・ハラスメントに嫌気がさした従業員が辞めてしまい、結果的に人手不足で疲れやストレスが倍増してハラスメント行為がエスカレート・・・また従業員が辞める・・・といったような負の連鎖が起きているのかもしれません。
求人と労働条件が違うことも普通
飲食店の怖いところは、あまりの人手不足に実際の労働条件とは異なる求人を出すことがあるという事実です。また、嘘ではないにしても書き方が分かり辛かったり、詳細な記載が無かったりすることも。
良さそうな条件に誘われて入社したところ「こんな労働時間が長いなんて聞いてない!」といったトラブルもありますので、就職・転職の際は求人だけでなく、面接での実条件の確認などを入念に行いましょう。
謎の仲間意識の強さ
お店次第ではありますが、どうにも飲食店の従業員は仲間意識が強いように感じます。というよりも、上司がやたらと「みんな仲間だ!」「家族のようなもの!」といったワードを口にするのです。
これには理由があり、仲間や家族と言ったワードを強調することで、上司が従業員に対して理不尽な要求を通しやすくなります。
たとえば、仲間意識を強調したところで「同僚の〇〇もやってるんだから頑張れ!」「仲間が頑張ってるのにお前だけ休むなんて言わないだろ?」と言われてしまえば、なかなか断ることができません。
ある意味、洗脳の一種ですね。もちろん仲間意識が悪いとは言いませんが、過度に「仲間」「家族」といったワードを使う上司には気をつけるべきでしょう。
世間からの評価が低い
基本的にアルバイトのイメージが強いせいもあってか、飲食店の従業員に対する世間の評価は決してよくありません。
どんな仕事も重要なもので、そこに優劣は無いと思うのですが、中には「え?飲食店で働いてるの?」と馬鹿にしてくる人もいます。
とおるくん
ゆかりちゃん
飲食店を辞めたい!早く辞めるべき理由とは
さて、これを読んでる方の中には「飲食店を辞めるべきか、続けるべきか」と悩んでいる方もいるでしょう。そこで、飲食店を早く辞めた方がいい理由をピックアップしてみました。ぜひ参考にしてみてください。
飲食店には将来性が無い
将来的に単純作業系の仕事は機械に奪われると予想されていることはご存知でしょうか。この単純作業系には飲食の接客や料理人もピックアップされています。
ようは飲食店におけるメインの仕事は、数年、数十年後には人間のすることでは無くなっている可能性もあるのです。
まだ20代、30代の人はこの先30年、40年と働き続けるわけですから、定年を迎える前に仕事を機械に奪われてしまうかもしれません。
先のことはまだ分かりませんが、飲食店で活躍する機械が一般化した時、路頭に迷った飲食店の従業員でハローワークが溢れてしまう・・・なんて恐れも。
やや極端な話ではあるものの、こういった理由からも早めの転職をおすすめします。
人手不足がより深刻になる恐れあり
上記で飲食店の従業員の機械化について話しました。これとは逆に、人手不足がより深刻になり多忙になる未来も考えられます。
少子高齢化で若者は減少。さらにSNS等では既に「飲食=ブラック」のイメージが定着しつつあるのですから、こちらの未来の方が現実的かもしれませんね。
今よりも拘束時間が長く休日も少ない未来なんて・・・考えたくもありませんね。このことからも、早めの転職を推奨します。
先延ばしで転職の難易度が上がってしまう
レジ打ちやオーダーなど初めは覚えることが多いものの、一定期間以上働いてしまえば、後は単純作業になるのが飲食の仕事です。
単純作業も数年、数十年と続ければスピードはアップしますが、そのスキルが飲食以外で役に立つかと言えば、微妙なところですね。
つまり、飲食から他業界への転職となれば今までの経験は水の泡。未経験として仕事を始めなくてはなりません。しかし、30代後半、40代にもなると未経験業界への転職は難しいと言われています。
現在、20代や30代前半で飲食から他業界への転職を考えているのなら、少しでも早く活動を始めた方が転職成功の確率は高くなります。逆にダラダラと仕事を続ければ、1日ごとに転職の難易度は高くなると考えてください。
とおるくん
ゆかりちゃん
飲食店を辞めたい!辞める方法とは
飲食店を辞めたいと考えているなら、少しでも早く行動に移るべきでしょう。ここからは飲食店を辞める方法を紹介します。
早めに退職届を提出しよう
退職届を提出してから退職まで法的には2週間、会社の決まりによっては1ヶ月や2ヶ月ほどかかりますので、退職を考えている方は早めに退職届を提出しましょう。
なお、大型連休などお店が混む時期は避けた方がいいかもしれません。もちろん繁忙期でも退職を伝えることは可能ですが、お世話になったお店に迷惑がかかりますし、上司の不要な怒りを買ってしまう恐れがあります。
引き止めには応じない
何度も言うように飲食業界は人手不足が深刻ですので、退職届を提出する際、引き止められる可能性が高いです。
「君がいないとお店がまわらなくなる」「お店がつぶれてしまう」「飲食からの転職は難しいぞ」などなど。お店によっては社員を退職させないためのマニュアルまで存在していると言われています。
真面目で責任感が強い人だと「そこまで言うならもう少し…」と、うっかり温情を見せてしまうものですが、これは大きな間違いです。
少しでも隙を見せれば「こいつは押しに弱い辞められないタイプだな」と見抜かれてしまい、いつまでも辞めることができません。
上司にいくら引き止められても絶対に辞める。飲食においてはこの意思が特に重要でしょう。
面倒なら退職代行に頼る
もし上司の引き止めに合うのが面倒だと思えば退職代行サービスを利用するのもひとつの手です。
退職代行サービスは、あなたに代わって上司へと退職を伝えてくれるサービスのこと。3万~5万ほどのお金は必要になりますが、余計な引き止めにあわずスムーズに辞めることができます。
飲食は業界の中でも特に人手が不足しており、大手だと社員を辞めさせないためのマニュアルも用意しているほど。「絶対に辞めたい!」と考えているのなら、退職代行サービスへの相談をおすすめします。
とおるくん
ゆかりちゃん
転職でブラックな飲食店を回避するには?
最後に、飲食店から飲食店へと転職を考えてる方のために、ブラックな飲食店の回避方法を紹介しておきましょう。まずは以下を見てみてください。
- 常に求人が出ている
- 採用条件がやたら簡単
- ネットの口コミがよくない
- 待遇が不自然なほど良い
飲食店に限らず常に求人が出ている企業は怪しいですね。常に求人があるということは人手が足りていない証拠。そういったお店ほど不自然に待遇が良く、採用条件も簡単なものですが、職場環境が酷かったりしますので気をつけてください。
また、インターネットの口コミサイトやSNSを使って企業の情報を調べるのもおすすめです。
とおるくん
ゆかりちゃん
ブラックな飲食店は辞めてしまおう!
今回は飲食店にブラック企業が多い理由や、ブラックな実態を紹介しました。いかがでしたか?
ブラックな飲食店は従業員のことを「使い捨ての道具」くらいにしか考えていません。歳と共に身体が上手く動かなくなったり、怪我や病気で働けなくなれば、躊躇なく従業員を捨てるようなあくどい企業もたくさん存在します。
もし、今の職場がブラックだと思えば早めに退職して新しい職場へ移ることをおすすめします。ぜひ過酷な労働環境に心身を壊してしまう前に決断してくださいね。