数ある業界の中でも特にブラックなイメージが付きまとう介護業界。SNSなどでその闇が暴露されることも多々ありますよね。
特に近年は少子高齢化の進行でどんどん介護職の人手不足が深刻になっていますからね。かなり過酷な現場も少なくないようです…。
今回はそんな介護業界・介護職のブラックな部分や辞めたい理由を詳しく紹介していきます。
今日はもうダメかも…
仕事に行きたくない…。行かなきゃいけないのは分かっていても「心」と「身体」がついていかない…。そんな時は会社に嘘をついてでも休みをとるべきだと思います。
上司や周りの人間はあなたの休みを快く思わないかもしれませんが、あなたの状態はあなた自身が一番わかっているはずです。精神を削られ過ぎて立ち直れなくなる前に対処しましょう。
もうどうしても会社に行くのが嫌なら退職を検討するべきでしょう。もしも自分の口から言えないのであれば「退職代行サービス」を利用してください。あなたの強い味方になってくれるでしょう。
目次
介護職はブラック?人手不足は深刻
現在、様々な規模・方針の介護施設がありますので一概に介護職がブラックと言い切ることはできません。ただ、介護職の人手不足が深刻なのは事実です。
それもそのはず。内閣府が発表した平成30年版の「高齢社会白書」によれば、平成29年10月1日時点で日本の総人口は1億2,671万人。そのうち3,515万人もの人口が65歳以上となっているのです。
つまり総人口の27.7%もの人が65歳以上の高齢者です。約4人に1人は高齢者という社会ですから、介護が必要な方もかなりの量に上るでしょう。
実際、既に約2/3もの介護施設が人手不足に悩まされているとも言われており、人手不足から長時間の残業や休日出勤などを強いられるケースも少なくありません。
また、現在の少子高齢化状況が改善されなければ、さらに高齢者の割合は増えると考えられます。経産省では2035年には約79万人もの介護人材が不足するとも予想しており、介護の現場は今よりもさらに深刻になることが危惧されます。
とおるくん
ゆかりちゃん
介護職のここがブラック!
介護業界の人手不足が深刻と分かったところで、具体的にどのような部分がブラックなのか見ていきましょう。
人手不足で仕事を教えてもらえない
先ほど話したように人手不足が深刻な介護業界。あまりの人手不足から新人を教育する余裕がなく、せっかく人手不足を補うために採用した新人が、仕事のやり方を教えてもらえず放置されてしまうこともあります。
放置された新人は当然ながら戦力になることが出来ず、介護の現場でおろおろ。それを見た先輩が忙しさのあまり「邪魔!」「ちゃんとして!」と怒りをぶつけることも。仕事のやり方を教えてもらってない新人としては理不尽で仕方ありませんね。
いくら特別なスキルが必要のない仕事とはいえ、全くノウハウ無しで即戦力というのは無理があります。
慢性的に人手不足に陥りがちなブラック企業は、余裕が無く新人を放置しがちとよく言いますが、介護の場合は約2/3もの施設が人手不足という深刻な状況なわけですから、せっかく入社しても放置されてしまう可能性は低くないのかもしれません。
また、あまりの過酷さから人が大量に辞めてしまい、そもそも仕事を教えてくれる先輩がほぼいないといったケースもあるようです。
とおるくん
ゆかりちゃん
介護の仕事は予想以上に大変
例え人手が足りていたとしても、やはり介護の仕事というのは大変なものです。
悪口のようになってしまい申し訳ないのですが、中にはスタッフの髪や服を引っ張ったり、叩いてきたりと暴力的な要介護者もいます。
そういった方の相手をするのは肉体的にも精神的にも大変で、仕事が終わったころにはいろんな意味でボロボロになってしまうことも…。
もちろんスタッフ側から文句を言うわけにはいかず、理不尽な暴力なども我慢するしかありません。
給料などの待遇や人手不足からの忙しさなどとは関係なく、単純に要介護者の相手が嫌で介護職を辞めてしまうケースも珍しくないようですね。
新人がいじめられることも
女性が多い現場ということもあってか、新人はベテランのスタッフにいじめられてしまうことも。いわゆるお局様(おつぼねさま)といった存在ですね。
特に悪質な人だと仕事中に邪魔をしてきたり、ことあるごとに陰口をたたいてきたり。ただでさえストレスのたまりやすい現場で、さらにストレスがかかるような行為をしてきます。
深刻な人手不足からスタッフのストレスが蓄積しており、はけ口を探しているのも関係しているのかもしれません。ようは新人をストレス解消の道具に利用しているわけですね…。
とおるくん
ゆかりちゃん
新人は夜勤が多い
介護施設はその性質上、常に人手が必要ですから基本は「早番」「遅番」のようにシフトを分けます。一例としては以下のような感じですね。
- 早番:6~14時
- 中番:10~18時
- 遅番:12~20時
- 夜勤:20~翌8時
一般的な生活のリズムを考えれば早番や中番で働きたいものですが、新人は遅番や夜勤などに回されがち。特に夜勤を担当することが多く、慣れないうちは生活リズムの問題から体調を崩してしまうことも。
また、夜勤にまわされてしまうと友人と時間が合わず遊びに行けなかったり、日中のショッピングも難しくなったりと、これまたストレスの原因となります。
なお、早番や中番など、働きやすい時間帯はベテランの方が務めることが多いようです。
サービス残業も普通
おおむね予想はつくと思いますが、人手不足が深刻な介護の現場では残業もそう珍しくありません。たとえば、上記で紹介した夜勤は朝8時まででしたが、これが12時や14時までずれこむことも考えられます。
そんな残業もしっかり残業代が出るならやる気も出るでしょう。しかし、ブラックな介護施設ではサービス残業も当たり前。タイムカードを早めに切らせたりすることもあります。
ちなみに、サービス残業は当然ながら違法行為ですので、労働基準監督署などへ報告すればしかるべき処置が下るはずです。
有給休暇の取得が難しい
これも人手不足のせいですが、介護の現場では有給休暇の取得も難しいのが現状です。そもそも、介護施設によっては有給休暇という概念がほぼ存在しないとか。
概念が無いとは言っても、有給休暇は労働者の権利であって、基本的に付与されないことはありえませんので、ようは取得の実績が少なすぎて「有給休暇を使いたい」とは言い出せない雰囲気が流れてるわけですね。
有給休暇についても取得が認められないなら、労働基準監督署などしかるべき窓口に相談した方がいいでしょう。
肉体労働寄りの仕事で疲れる
介護の現場は肉体労働です。たとえば要介護者を抱えてベッドまで連れていったり、ベッドから車いすへ運んであげたり、時には排せつや入職の補助をしたり。予想以上に力が必要なんです。
このことから介護職は男性の方が向いているといった意見もあるにはあるのですが、現状、介護職は女性の割合の方が多くなっていますね。
若いうちは体力に余裕があっても40代、50代と歳を重ねるうちに肉体労働が辛くなることも。身体を動かすのが嫌いで、1日中パソコンに向かってるような仕事の方が好きといった方とは相性が悪いですね。
給料が低め
「深刻な人手不足」「要介護者と接する大変さ」「予想以上の肉体労働」といった要素を加味すれば、給料を高めに設定していい職業だと思うのですが、残念ながら介護職の給料はあまり高くありません。
これも介護施設等によるのですが、たとえば転職サイト「マイナビ転職」の発表した2018年版「業種別 モデル年収平均ランキング」によれば、「医療・福祉・介護サービス」は年収436万円で、全111位中の98位となっています。
つまり低い方から数えた方がずっと早いくらいには薄給。新人だと月給15万円にも満たないこともあるそうです。
とおるくん
ゆかりちゃん
とおるくん
ゆかりちゃん
ブラックな介護施設は辞めるのが吉
冒頭で話したように介護施設の人手不足は深刻で、約2/3もの施設が人手不足に嘆いていると言われています。
これ、逆に言えば、約1/3の施設はそこまでの人手不足ではないわけですよね。つまり、今現在の環境がブラックだと思うのなら、いっそ退職して新しい職場に移る方がいいかもしれません。
転職先が人手十分な介護施設であれば、長時間の残業や休日出勤を避けつつ、気持ちよく働ける可能性も高いのではないでしょうか。
介護の仕事が嫌いではなく、それなりにやりがいを感じているなら、同じ業界・職種でより好条件な職場を。経験やスキルをそのまま活かしつつ快適に働けると思います。
もし、あまりの人手不足などで退職を言い出しにくいのであれば、代わりに退職を伝えてくれる退職代行サービスを頼る手もありますし、ぜひ転職も視野に入れてみてくださいね。
ゆかりちゃん
転職する時は介護施設に注意!
上記でブラックな介護施設は退職して転職することをおすすめしましたが、転職先がまたブラックな介護施設というのはあまりに残酷ですよね。そこで、最後に注意すべき介護施設・介護求人の特徴を紹介しましょう。
以下のような特徴のある介護施設・介護求人には気をつけてください。
- 求人広告が常に出ている
- 給料が明らかに高く設定されている
- 内定がすぐに貰える
- 現場のスタッフの顔が暗い
- 施設の掃除が行き届いてない
- 現場の空調がきいていない
まず、求人が常に出ていたり、給料が相場より明らかに高かったり、内定があっさり貰えるような介護施設は要注意。これらはブラック企業の求人によく見られる特徴で、求人が常にあるのも給料が高いのも内定があっさりなのも、全て人手不足にあるからこそだと考えられます。
つまり、このような特徴のある現場に入ってしまえば、また人手不足から長時間残業などに悩まされてしまうかもしれません。
また、実際に志望する介護施設を見学してみて、スタッフの顔が暗かったり、掃除が行き届いていない時も要注意。スタッフの顔については説明不要だと思いますが、顔が暗いということはそれだけ忙しく疲れがたまっている証拠。掃除が行き届いていないのも人手不足の証明です。
最後に、現場の空調がきいてない施設は、現場のスタッフや要介護者のことを考えず、とにかく電気代を節約しようとするがめつい施設の可能性が高いです。
なお、転職に絶対失敗したくないのなら、転職エージェントなど専門家の力を借りるのがおすすめ。やはり専門家の力があると成功率はグッと上がりますよ。
ゆかりちゃん
介護職はブラック!でもやりがいもある仕事です
今回紹介したように介護職は深刻な人手不足からブラックな現場になりがちです。
ただ、ただただ労働環境が過酷なだけでなく、要介護者、またはその家族から感謝されたり、スキルの取得による成長が実感できたりと、やりがいのある仕事でもあるんですよ。
もちろん介護職自体が合わないと思えば、退職して別の業界へと移るのもありですが、もし介護職自体は好きなものの今の現場が辛いという状況なら、ホワイトな介護施設を探してみましょう。世の中には人手が十分で気持ちよく働ける現場も存在しますよ。