大学生のアルバイトとしても有名な学習塾の講師ですが、実は精神的に辛い部分の多い仕事だとご存知ですか?
特に正社員になってしまえば朝早くから夜遅くまで働かされたり、モンスターペアレントの対応に四苦八苦したりともう大変。
「塾講師になんてなるんじゃなかった!」と嘆いている方も少なくないんです。今回はそんな塾講師のブラックな部分をじっくり紹介していきましょう!
今日はもうダメかも…
仕事に行きたくない…。行かなきゃいけないのは分かっていても「心」と「身体」がついていかない…。そんな時は会社に嘘をついてでも休みをとるべきだと思います。
上司や周りの人間はあなたの休みを快く思わないかもしれませんが、あなたの状態はあなた自身が一番わかっているはずです。精神を削られ過ぎて立ち直れなくなる前に対処しましょう。
もうどうしても会社に行くのが嫌なら退職を検討するべきでしょう。もしも自分の口から言えないのであれば「退職代行サービス」を利用してください。あなたの強い味方になってくれるでしょう。
目次
塾講師の仕事もブラック!
さっそく塾講師の仕事がいかにブラックなのか解説していきます。
生徒の成績 < 利益
学習塾にもよりますが、基本的に塾は公立の学校と違って利益をあげなくてはなりません。子どもを教え導く役割の機関ではあるものの、国のお金で運営しているわけではありませんからね。
利益をあげるために社員が何をするかといえば、セールストーク(追加講習のおすすめなど)や、1対多数の授業(1人で複数人の授業を同時にこなす)などですね。
時にはその生徒に不要な講習を勧めたりすることもあり、言ってしまえば多くの塾は生徒の成績よりも利益が最優先。「子どもの成長の手助けがしたい!」と思い入社した人ほど、理想と現実のギャップに精神をゴリゴリ削られていきます。
また、小さく利益の少ない塾だと長時間の残業があるにもかかわらず残業代が出ないことも。社員への給金を減らし利益を増やすため、固定残業代を採用している塾もあるようです。
企業が一定残業時間を想定し、あらかじめ給与に固定の残業代を記載しておき毎月の残業代を計算しなくても決められた残業代を支払っていく制度。「みなし残業」とも呼ばれていますが、固定残業以上の残業をした場合でも、残業代を支払わないといったトラブルが多発しています。
朝から夜遅くまでの労働も当たり前
塾講師の仕事が本格的に始まるのは夕方からです。生徒である中学生や高校生は15時や16時くらいまで学校の授業を受けていますからね。
では、15時や16時に間に合うよう出勤すればいいのかといえば、そうではありません。生徒の授業だけでなく打ち合わせや会議、授業の準備にアルバイトのシフト管理など授業以外にもやることは多いため、基本は午前中から出社する必要があります。
さすがに一般的なサラリーマンのように朝7時、8時とは言いませんが、10時くらいには出勤が必要なこともしばしば。生徒の授業が終わるのは21時や22時。そこから塾内の掃除や指導報告書などの書類を書いていれば、23時、24時までかかってしまうかもしれません。
実際、朝10時出勤、夜24時帰宅がデフォルトという塾講師の方もいます。休憩が1時間あったとしても、毎日13時間の労働。完全にブラック企業の労働時間ですね。
とおるくん
ゆかりちゃん
休日出勤も当たり前
塾講師と言えば休日出勤も免れません。たとえば、土曜や日曜、祝日であっても模試があれば試験監督として出勤を強要されたり、中間・期末テストが近いタイミングであれば自習室を開くために出勤を強要されたり…。
平日と違ってお昼までなど、労働時間が短いこともあるのですが、週5日、毎日10時間や13時間も働いたうえでの出勤なわけですから辛いですよね。
あまりの休みの無さから精神を病んでしまったという体験談も見られました。
また、塾講師は授業の準備・予習のために休日を潰すこともあります。人に物事を教えるには3倍の知識が必要とも言いますからね。生徒に十分な知識を身に着けてもらうためには、先生側も常日頃から努力しなくてはならないのです。
利益優先のセールスが辛い
さて、先ほど多くの学習塾が生徒の成績より利益を優先するとお話ししました。そのため、塾の先生にもノルマが課されることは多く、時には保護者に対してセールストークをしなくてはなりません。
たとえば、
- 〇〇の講習をとった方がいい!
- 浪人することを考えれば安いもの!
- 成績不振なのは授業数が少ないせい!
などなど。もはや営業マンかと見間違うようなセールストークを強要され、時には本来であれば必要のない講習を保護者へおすすめしなくてはなりません。
いくら利益をあげるためとはいえ、必要がない講習などをとらせるのは心が痛みますね。特に子どもが好きな人ほど罪悪感から精神にガリガリとダメージが入っていきます。
長時間の残業や休日出勤などよりも、セールスが何より辛いという方も珍しくないですね。
とおるくん
ゆかりちゃん
クレームをつける保護者もいる
塾は月謝を払って勉強を教えてもらう機関であって、保護者側としては子どもの成績が上がらなければ通わせる意味がありません。
では、せっかく月謝を払って通わせているのに子どもの成績が上がらなければどうなるでしょうか。当然、保護者からクレームがつきます。
中には「成績が上がらないなら授業料を返して!」といった理不尽なクレームをつけてくる保護者もいるほどです。
そんな保護者への対応は非常にストレスがたまるもの。ただ、利益ばかりを優先して不要な講習を進める塾が悪いといった見方もできるわけで、一概に理不尽なクレームとも言えないのが実情ですね。
とおるくん
ゆかりちゃん
忙しさから授業のクオリティが下がる
長時間の残業や休日出勤などが続けばろくに授業の準備も出来ず、授業のクオリティが下がってしまうことも。
また、塾によっては個別指導と言いつつ、1人で複数の生徒を相手しなくてはならないことがあります。これが非常にキツいもので、時にはレベルの違う複数人の生徒に別々のことを教えなくてはなりません。
そんな状況で高クオリティの授業を実現するのは不可能に近いですね。多くの塾講師はクオリティの高い授業で生徒の成績を伸ばしたいと考えているものの、塾のやり方がそれを妨げているわけです。
ゆかりちゃん
未来に不安を感じる職業
塾講師はお世辞にも将来が明るい仕事とは言えませんね。皆さんもご存知のように少子高齢化の進行によって子どもの量はどんどんと減っています。
つまり、学習塾の生徒は今後、減少傾向になると考えられます。となれば、必要な塾講師の量も当然ながら減少しますよね。
5年、10年で仕事を失うとは考えにくいものの、この先20年、30年と安泰の仕事かといえば、何とも言えません。
加えて塾講師の仕事で培ったスキルというのは、一般的な事務職などで役に立つことが非常に少なく、40代、50代と歳を重ねてしまえば未経験職への転職は難しいといった意見もあります。
つまり、40代や50代になってから人材の余剰などが原因で塾講師を続けられなくなった時、新しい仕事に就くのはなかなか困難かもしれないのです。
もし今現在、塾講師として働いていて仕事に対して大きな不満を覚えているなら、早いうちに退職して新しい仕事へと移ってしまう方が賢いのかもしれませんよ。
とおるくん
ゆかりちゃん
塾講師を辞めたい!実は離職率も高い
さて、塾講師の仕事内容が今回紹介したような状況ですので(もちろん塾によってブラック度は異なりますが)実は退職者も多くなっています。
退職者の多さが分かるデータとしては厚生労働省の「新規学卒者の離職状況」が有能ですね。こちらのデータによれば、「教育・学習支援業」の3年以内離職率は48%前後。年によって多少は異なるものの、おおむね半分近い人が3年以内に離職していることが分かっています。
一定期間内に会社を退職した人の割合を示す数字で、業界・企業のブラックさを示す一つの指針になると言われています。
なお、3年以内の離職率が48%前後と言えば、ブラック企業が多いことで知られる「飲食・宿泊サービス業」とほぼ変わりません。こちらもブラック企業が多いことで知られる「医療・福祉」については40%以下、といえば塾講師の離職率の高さが分かるでしょうか。
塾講師は仕事内容がキツければ将来性もイマイチな仕事。子どもの成長に感動できたりと良い部分もありますが、合わないと思えば早めに退職した方が将来のためかもしれませんよ。
とおるくん
ゆかりちゃん
塾業界もそれなりにブラック
今回は塾講師のブラックな部分を紹介してきました。いかがでしたか?
もちろん世の中には生徒の成績を第一に考えるホワイトな塾も存在するとは思います。ただ、大手企業などはどうしても利益優先になりがちですね。そのせいで不要な講習をセールスしたりと罪悪感を覚えることも少なくありません。
何度もセールスを強要されたり、長時間の残業が毎日のように続いたり、あまりにストレス・疲労の原因が多いようなら早めに退職して違う塾、あるいは違う業界に移った方がいいかもしれませんよ。どうかご自身の身体を第一に考えて行動してくださいね。
とおるくん