世の中にはブラック企業が多いと言われる業界が数多く存在しますね。広告業界もそのひとつで、特に広告代理店は非常にブラックな企業が多く、憧れから入社したは良いものの、数か月、数年もしないうちに「辞めたい!」と感じてしまう方もしばしば…。
今回は広告業界・広告代理店のどこがブラックなのかまとめましたので、広告業界で働く方や、将来的に広告業界へ足を踏み入れようと考えている方は参考にしてみてください。
今日はもうダメかも…
仕事に行きたくない…。行かなきゃいけないのは分かっていても「心」と「身体」がついていかない…。そんな時は会社に嘘をついてでも休みをとるべきだと思います。
上司や周りの人間はあなたの休みを快く思わないかもしれませんが、あなたの状態はあなた自身が一番わかっているはずです。精神を削られ過ぎて立ち直れなくなる前に対処しましょう。
もうどうしても会社に行くのが嫌なら退職を検討するべきでしょう。もしも自分の口から言えないのであれば「退職代行サービス」を利用してください。あなたの強い味方になってくれるでしょう。
目次
広告業界・広告代理店がブラックな理由とは
さっそく広告業界・広告代理店がブラックな理由を紹介していきましょう。なお、今回紹介するブラックな理由は、全ての企業に当てはまるわけではありません。ただ業界全体でそういった傾向が強いといった話ですので、「うちは広告業界の会社だけどホワイトだよ!残業も無いよ!」といったこともあるかと思います。
スケジュールに余裕がなく残業が多い
広告代理店にしても、広告制作会社にしても、とにかくスケジュールがタイトで十分な作業時間を確保するには残業を余儀なくされるケースが多いです。
特に広告業界は薄利多売な傾向にあり、企業によっては常に超過密スケジュールが組まれるほど。酷い時には朝の7時や8時に出勤したのち、帰宅が日付をまわった深夜2時や3時になってしまうことも…。ここまで酷いと着替えなどを用意して会社に泊まってしまうことも珍しくありません…。
なお、新卒の場合、研修時などは定時に帰れることが多いのですが、どこかのプロジェクトに配属され本格的に働くこととなった後は、おそらく定時帰りはほぼ不可能。
しかも、広告業界には「長時間労働=正義」みたいな風潮もあり、先輩がいつまでたっても帰らないなんてことも…。こうなると部下の方も帰りづらく、先輩に合わせて長時間残業コースです…。
とおるくん
ゆかりちゃん
基本的に土日でも仕事
広告を制作する会社だと、CMに出演するキャストのスケジュールに合わせて行動しなくてはならないため、土日も仕事というパターンが多いです。
もちろん祝日についても潰れることが多く、下手をすれば数週間、1ヶ月単位で休みがとれないことも…。毎日の残業に加えて休日出勤。これでは、いくら夢を持って入社した会社だとしても辞めたくなるのは当然ですね…。
みなし残業で残業代が少ない
広告業界などクリエイティブな仕事だと「みなし残業」が採用されることがあります。みなし残業にも種類はあるのですが、ここで言うみなし残業については「何時間働いても一定時間分の残業代しか支払われない制度」だと思ってください。
つまり、みなし残業が50時間に設定されている場合は、いくら100時間の労働をしても50時間分の残業代しか支給されません。
逆に言えば10時間の残業でも50時間分の残業代を受け取れる制度なのですが、ほとんどの広告会社はみなし残業時間を短めに設定しており、本来(みなし残業制度を採用していない場合)なら貰えるはずの残業代を受け取れないことも…。
ただでさえ残業が多い業界ですから、もし「みなし残業」が採用されていなければと想定し残業代を計算してみると・・・おそらく、みなし残業で受け取れる金額との差にガッカリしてしまいます…。
クライアントが無茶な要求をしてくる
広告代理店や広告制作会社はクライアント(顧客)あってこそ成り立つ仕事です。簡単に説明すると、広告を出したいクライアントから広告代理店などが依頼を受け、広告の制作などを進めていきます。
つまり、クライアントとの付き合いが途切れてしまえば仕事が無くなってしまうわけで、基本はクライアントの無茶な要求にも逆らうことができません。
それでいて、クライアントはそこそこ頻繁に無茶を言ってきます。極端な話、「1週間以内に何とか広告を仕上げて!」なんて要求もあるわけです。
また、クライアントの要求は時間を選ばないことも多く、酷い時には深夜の2時、3時にメールや電話がかかってきます…。そんな時間まで働いている広告会社の人がまずおかしいわけですが、そんな時間に普通にメールや電話をしてくるクライアントも大概ですね。
とおるくん
ゆかりちゃん
疲労のせいで皆ギスギスしてる
人間は疲労が蓄積すると心に余裕が無くなってきます。たとえば、最近はSNS等で暴言を吐いて他人を傷つける人が問題になっていますね。ああいった人は仕事やプライベートのせいで疲れやストレスを溜め込みがちと言います。
ここまでの説明から分かると思いますが、広告業界はとにかく多忙で疲労・ストレスをため込んでいる方が多いため、職場はどうしてもギスギスしがち。
多少のミスでとんでもなく怒られたり、明らかにストレス解消目的であろうお小言をくらってしまうこともあるんです。
とおるくん
ゆかりちゃん
体育会系の気質が強い業界
広告業界と一口に言っても様々な企業があるため一概には言えませんが、広告業界は体育会系の気質が強い傾向にある気がします。
たとえば、日本トップクラスの広告代理店である「電通」が非常にブラックな精神論を掲げていましたし(これについては後で詳しく紹介します)、「上司は絶対!」みたいな考え方の企業もまだまだ多いとされています。
とおるくん
ゆかりちゃん
仕事にかける時間=やる気
体育会系の気質が強いためか、広告業界には何故か「仕事にかける時間=やる気」みたいな風潮もあります。
たとえば、全力を出して1時間で資料を作成し上司に見せると「作成時間が短すぎる!やる気あるのか!」と言われます。
しかし同じ内容の資料を3日後に提出してみると、すんなりOKが出たりします…。
もちろん企業によりますが、資料や広告の内容ではなく、「いかに時間をかけて仕上げた仕事か」を重視する上司も少なくありません。こういった考えについては業界のガンと言わざる得ない気もします…。
余談ですが、いくつかのサイトを見ていると「海外の広告業界はAIで戦う中、日本はサビ残(サービス残業)で戦っている」といった内容の文章を見かけました。広告業界だけではないものの、どうにも日本は昔ながらの非効率的な方法をいつまでも引きずる傾向にありますね。
とおるくん
ゆかりちゃん
人がどんどん辞めていく
こんな状況ですから広告業界は人の入れ替わりが激しく、気が付けば入社時の同僚がほぼいなくなっていることも。本当に広告作り等が好きな人以外は早々に見切りをつけて退職してしまうのでしょう。
「人の入れ替わりが激しい=職場の風通しが良い」と考えれば悪くもないですが、「人の入れ替わりが激しい=常に1から人間関係を築きなおし」と考えるとやや面倒ですね。
とおるくん
ゆかりちゃん
ブラックな広告代理店と言えば「電通」
世の中には「ブラック企業大賞」なるものが存在します。
サービス残業や過労、パワーハラスメントといった従業員に対しての酷い仕打ちが問題視されている企業を決定する企画。主に作家や弁護士、大学教授などから構成されています。
ブラック企業大賞は2012年からスタートし、「東京電力」や「ワタミ」など誰もが知る企業が続々と大賞に選ばれています。そんな中、見事(?)2016年には「株式会社電通」が大賞を受賞したのです。
日本最大規模の広告代理店はブラック企業大賞を受賞するほど真っ黒な企業となれば、「広告業界=ブラック」というイメージが世間に浸透してしまうのも仕方ありませんね(実際、イメージ通りで広告業界にはブラック企業も多いわけですが)。
なお、電通がブラック企業大賞に選ばれた理由はパワハラ・長時間労働による社員の過労自殺や、『鬼十則』と呼ばれる精神論バリバリの社則にあるとされています。
2015年4月に入社し、デジタル・アカウント部でインターネット広告を担当していた女性社員が、同年12月25日に社員寮から飛び降りて自殺(過労自殺)した事件。
遺族側弁護士の推計によれば、女性社員は1ヶ月の時間外労働(残業)が約130時間にも達しており、これは過労死ラインと呼ばれる月80時間の時間外労働を大幅に超えています。
また、女性社員の個人Twitterから、パワハラやセクハラの被害もあったのではないかと言われています。
電通社員の行動模範であった『鬼十則』のひとつに「取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。」といった内容がありました。
なお、上記の過労自殺を受け、2017年度より『鬼十則』は社員手帳から削除されたようです。
あまりにも酷い事件・内容で話題になったため、ご存知の方も多いでしょう。ブラック企業大賞の受賞などを受け、現在は労働環境が改善されているかもしれませんが、電通への入社を検討している方は十分に気を付けた方がいいでしょう。
とおるくん
ゆかりちゃん
広告代理店は夢もあるけどブラックすぎ…
広告代理店はブラックなだけでなく夢もある企業だと思います。
- 年収が良い
- クリエイティブでやりがいはある
- 大手勤めは羨ましがられやすい
電通や博報堂など大手企業については平均年収が1000万円を超えると言うのですから、夢がありますね。また、広告制作等はクリエイティブでやりがいを感じられます。
しかし、企業によっては上記メリットを補って余りあるほどのブラック具合。毎日の残業や休日出勤、上司からのパワハラ等を受け続けていては身体がもちませんよ。
大手の広告代理店に勤めていると「せっかく電通に入社できたのに退職なんてもったいない…」という気持ちが優先するかもしれませんが、仕事で身体を壊してしまっては元も子もありません。現在、広告業界や広告代理店で働いていて、仕事が辛いと感じるなら退職も検討した方がいいと思いますよ。
辞めたいと思ったら早めの退職が吉
なお、仕事が辛くて辞めたいと思うなら決断は早い方がいいかもしれません。というのも、人間は良くも悪くも環境に染まっていく生き物です。
つまり、ブラックな広告代理店に勤め続けていると、「超長時間の残業も当たり前」「新人が定時で帰るなんてありえない」など、半ば洗脳のように考え方が変わっていく恐れも…。
一度、会社にやり方に染まってしまうと、激務による思考の停滞もあいまって、身体に異常をきたしたり、周りの誰かに止められるまで「どう考えてもおかしい状況」に疑問を持たず働き続けてしまいます。
それが嫌であれば、なるべく正常な判断ができるうちに他の企業へ移ることを検討した方がいいと思いますよ。
とおるくん
ゆかりちゃん
特にこんな症状が出たら要注意!
現在、ブラックな広告代理店などで働いていて以下のような症状に覚えがあるなら、既に心身が危険な状態にあるかもしれません。
- 頻繁な頭痛・めまい
- 動悸・息切れ
- 集中力の極端な低下
- 食欲の減退
- 上手く眠れない
などなど。これらの症状が出ている方は疲れ・ストレスを溜め込み過ぎだと考えられます。早めに病院で診てもらったり、仕事を離れて休息をとったり。何かしらの対策を行いましょう。
ゆかりちゃん
広告業界にはブラック企業が多い
例外的な企業も存在するものの、どうにも広告業界は電通などの大手広告代理店も含み、ブラック企業が多いように思えます。
広告の制作などに大きなやりがいを感じていて長時間残業や休日出勤も何ら苦で無いのなら別ですけど(それでも続ければ心身に影響が出そうなので対策はしてほしいのですが)、既に「仕事のやりがい < 仕事の辛さ」という状況なら、早めに退職して別の仕事へ移ることも考えた方がいいでしょう。
「何とか今の職場で状況を改善したい!」と考える気持ちも分かりますが、残念なことに広告業界の労働環境が数年で改善するとは思えません。広告業界が働きやすくなってる、といった話もほぼ耳にしませんからね。