長時間のサービス残業や休日出勤の強要に加え、パワハラやモラハラなどのハラスメント行為が横行するブラック企業。そんな企業に勤めていれば今すぐ辞めたいと思うのは当然ですし、将来のことを考えれば早めに辞めておく方がいいでしょう。
ただ、ブラック企業だと自分で退職を言い出すのが辛いものですよね。また、今まで退職の経験が無い方だと、そもそも会社の辞め方を把握していないかもしれませんね。
そこで今回はブラック企業の辞め方をいくつか紹介します。自分で退職を伝える時の流れなども解説しますので、ぜひ退職の参考にしてみてください。
今日はもうダメかも…
仕事に行きたくない…。行かなきゃいけないのは分かっていても「心」と「身体」がついていかない…。そんな時は会社に嘘をついてでも休みをとるべきだと思います。
上司や周りの人間はあなたの休みを快く思わないかもしれませんが、あなたの状態はあなた自身が一番わかっているはずです。精神を削られ過ぎて立ち直れなくなる前に対処しましょう。
もうどうしても会社に行くのが嫌なら退職を検討するべきでしょう。もしも自分の口から言えないのであれば「退職代行サービス」を利用してください。あなたの強い味方になってくれるでしょう。
目次
ブラック企業を辞めたい!早めに辞めるべき理由とは
まずお伝えしておきたいのが、今現在、ブラック企業に勤めていて少しでも辞めたいと考えているのなら、早めに辞めるべきと言うことです。なぜなら、ブラック企業に長く勤めていると以下のような危険性があります。
- ブラック企業に染まっていく
- ブラック企業に洗脳される
- 心身がボロボロになる
- どんどん転職が難しくなる
人間は良くも悪くも適応力の高い生き物ですから、ブラック企業に勤めるうち、自然と企業のあくどいやり方に染まってしまうことも珍しくありません。実際、もともとは優しく思いやりのある学生だったのに、ブラック企業に入ってから人が変わってしまった、といった報告も見られます。
また、ブラック企業ほど社員をこき使えるよう洗脳を施すのは有名な話ですね。洗脳が進むと「サービス残業は当たり前」「体調不良で休むのはおかしい」「明らかに横暴な上司を尊敬し始める」といった思考に…。
最悪、過労で倒れてしまう可能性だってあります。それに年齢を重ねれば重ねるほど他企業への転職は難しくなるもの。「辞めたいけど、退職を伝えるのは怖いからまた今度…」と後回しにせず、早めに決断・行動することをおすすめします。
とおるくん
ゆかりちゃん
ブラック企業の辞め方を紹介
ブラック企業はできるだけ早めに辞めることをおすすめします。ということで、ここからはブラック企業の辞め方をいくつか紹介しましょう。
自ら退職の意思を伝える
仕事を辞めるとなった時、最初に頭に浮かぶのは自ら退職の意思を伝える方法ですね。退職願などで上司へと仕事を辞めたいことを伝えます。
まずは自ら退職を伝える時の流れをチェックしてみましょう。
- STEP.1退職の意思を伝えるまずは上司へと退職の意思を伝えます。この時、退職願を使うと意思を伝えやすいかもしれません。なお、退職の意思は、特に事情が無ければ直属の上司へ伝えましょう。
- STEP.2仕事の引継ぎをする退職を伝えてから退職までに最低でも2週間はかかります。この間に仕事の引継ぎを済ませましょう。
- STEP.3挨拶回り最終出社日にはお世話になった上司や同僚へと挨拶回りをします。
- STEP.4退職最後に必要な書類を受け取ったり、社員証などを返却して退職となります。まだ転職先が決まっていないのなら、失業保険を受けとるといいでしょう。
基本は上記のような流れになるのですが、ブラック企業の場合はいくつかの問題が発生することも珍しくありません。
- 退職を伝えても認めてくれない
- 退職願・退職届を破られる
- 退職の引き止めにあう
ブラック企業ほど常に人手が不足した状態ですので、何とかして社員を繋ぎとめようとします。そのため、退職を伝えてもなかなか認めてもらえないことも。
実際、SNS等を見てみると「辞めたいのに辞められない!」と嘆いている方を多く見かけますね。
また、「人手不足で君が辞めると仕事がまわらない!」など情に訴えかけるように退職を引き止められることも。優しく真面目な人だと罪悪感から折れてしまいがちですが、ここで折れてしまうといつまでも退職は無理なので気をつけましょう。
とおるくん
ゆかりちゃん
退職代行サービスに頼る
上記で話したようにブラック企業はそう簡単に辞めさせてくれません。そのため、最近は退職代行サービスの利用でブラック企業から脱出する人が増えていますね。
退職代行サービスとは、依頼者に代わって企業へと退職の意思を伝えてくれるサービスのことです。
民法で「退職の2週間前に意思を伝えておけば辞めることができる」と決まっているため、退職の意思さえ伝えてしまえば、ブラック企業側の意思に関係なく2週間後には辞められます。
ただ、自分で伝えるとなるとブラック企業側が「退職の意思?聞いてないな?」などしらばっくれる可能性があるため、退職代行サービスという、退職代行のプロにお任せするわけですね。
ちなみに、退職代行は非常に失敗率が低いもので、多くの会社が成功率100%の実績を持ちます。「自分で退職を伝えても取り合ってもらえない」「退職を伝える勇気が出ない」といった時は利用してみてください。退職代行サービス会社によっては即日の退職にも対応していますよ。
とおるくん
ゆかりちゃん
とおるくん
ゆかりちゃん
弁護士に頼る
最近は退職代行を請け負う弁護士(法律事務所)も増えてきています。そこで、退職代行サービスではなく弁護士を頼るのもひとつの手ですよ。
弁護士であれば退職代行サービスと違い下記のような交渉行為にも対応してくれます。
- 未払い賃金の請求
- 慰謝料の請求
- 有給休暇の消化交渉
- 有給休暇の買取交渉
たとえば、サービス残業で支払われなかった賃金の請求も大丈夫です。上記のような交渉行為を弁護士以外が行うのは「弁護士法違反」ですので、退職代行サービスにはお願いできません(ただし労働組合が行う退職代行なら一部の交渉可能)。
しかし弁護士への依頼は一般的に15~35万円の費用がかかると言われています(交渉などが発生した場合)。対して、退職代行サービスは3~5万円の依頼料が一般的です。
支払われていない残業代が大量にある場合などは別ですが、単にブラック企業を穏便に辞めたいだけであれば退職代行サービスの方が安くつくことがほとんどでしょう。
とおるくん
ゆかりちゃん
ブラック企業の辞め方のメリット・デメリットを確認
ここまでに紹介したブラック企業3つの辞め方。それぞれのメリット・デメリットを簡単におさらいしてみましょう。
自分で退職を伝える場合
- 出費が無い
- 引き止めにあう可能性あり
- 言い出すのに勇気が必要
自分で退職を伝えれば出費はありませんね。あったとしても退職届の紙代くらいです。ただ、ブラック企業の場合はとにかく引き止めてきますし、酷ければ退職の意思を無視してきます。
退職代行サービスを使う場合
- 自分で退職を伝えなくていい
- 即日で退職できることも多い
- 有給休暇も消化できるケースが多い
- 出費を抑えつつ楽に退職できる
- 3~5万円の出費が必要
退職代行サービスであれば、ブラック企業が相手であろうとほぼ確実に退職を実現してくれます。また、自分では言い出しにくい有給休暇の消化なども配慮してくれますよ。ただ、1回あたり3~5万円ほどの費用が必要です。
弁護士に頼る場合
- 慰謝料などの請求ができる
- 損害賠償などのトラブルにも対応
- 10万円以上の出費になることも
- 退職代行に比べると日数がかかる
弁護士であれば退職代行だけでなく、慰謝料の請求なども可能です。また、基本的にはありませんが、損害賠償の請求などトラブルにも対応してくれます。ただ、料金相場が15~35万円と高め(交渉をする場合など)。退職代行サービスに比べると即日対応の事務所が少ないのも欠点です。
とおるくん
ゆかりちゃん
ブラック企業を辞めたい人が確認すべきポイント
最後に、ブラック企業を辞める前に確認しておいてほしいポイントを解説します。
退職前に身の振り方を考える
基本的にブラック企業を辞めた後も人生は続くわけですから、退職前には今後の身の振り方を考えておきましょう。
理想としては先に転職先を見つけておくことですね。とはいえ、ブラック企業に勤めていると精神が限界直前と言うことも少なくありませんから、先に退職してから転職先を見つける、といった順番でも大丈夫です。
なお、転職先が見つかっていないなら失業保険の受け取りを忘れないでください。
ハラスメント行為があるなら証拠を集める
パワハラやセクハラなどハラスメント行為が原因でブラック企業を辞めるのであれば、先に証拠を集めておくといいでしょう。
- 録画・録音データ
- メール・LINEの履歴
- タイムカードの写し
- 同僚による証言など
たとえば、ハラスメント行為の慰謝料を請求する際などは証拠の有無で事のスムーズさが変わってくるでしょう。やはり、証拠が無いと話がなかなか前進しません。
また、ハローワークなどでハラスメント行為が認められれば、退職理由を「会社都合」にできる可能性があります。会社都合での退職であれば失業保険を早めに受け取れることもあり、転職先が決まっていない時は何かと有利です。
なるべく有給休暇を取得する
有給休暇とは労働者の権利であり、取得を申請すれば基本的に会社側は断ることができません。ですので、退職前にはなるべく有給休暇を消化してしまいましょう。
もし自分で有給休暇について言い出しにくいのなら、退職代行サービスや弁護士を頼る手もあります。
有給休暇の消化により退職代行サービスや弁護士への依頼料を取り戻せることも少なくないですよ(弁護士だと15~35万円ほどかかり相殺は難しいかもしれませんが)。
損害賠償は基本ないと思って大丈夫
ブラック企業だと退職を伝えた時に「辞めるなら損害賠償を請求するぞ!」と言ってくることもあるようです。ただ、これは基本的に脅しだと思って大丈夫でしょう。
というのも、実際に損害賠償を請求するには膨大な労力・費用がかかるため、いくらブラック企業でもそこまですることは滅多にありません。
そもそもブラック企業だと外部に漏らすわけにはいかない秘密を抱えていたりするもの。そのため、損害賠償の請求などで第三者に踏み入られると、むしろブラック企業側がリスクを背負うことになりかねませんね。
もっと根本的な部分で言えば、退職を伝えたことに対しての損害賠償が認められるとは考えにくいです。退職については労働者が持つ権利のひとつですからね。
とおるくん
自分にあったブラック企業の辞め方を選択!
ブラック企業の辞め方はいかがでしたか?
「会社を辞める=退職届の提出」といったイメージもありますが、ブラック企業に関しては退職届を受け取ってくれなかったり、提出を無かったことにしてきたりと、あらゆる手段で社員を会社へ繋ぎとめようとしてきます。
そのためブラック企業を辞めたいのに辞められない、といった方は多いものです。しかし、今なら退職代行サービスや弁護士など第三者の力を借りて仕事を辞めることだって可能です。
無理に仕事を続けて心身を壊してしまう前に、何らかの方法でブラック企業を脱出しましょう!
とおるくん