どんな仕事であっても「辞めたい…」と感じる方は少なくないものですが、バス運転手は数ある仕事の中でも「辞めたい…」と思っている方の割合が多いように思えますね。実際、インターネット上などにはバス運転手の不満の声が溢れています。
そこで今回はバス運転手が仕事を辞めたくなってしまう原因から、辞める前に考えるべきこと、さらにはバス運転手に最適な転職先まで紹介していきます。
バス運転手をしていて辞めたいと思っている方や、これからバス運転手を目指そうかと考えている方はきっと参考になりますよ。ぜひ最後まで見ていってくださいね。
今日はもうダメかも…
仕事に行きたくない…。行かなきゃいけないのは分かっていても「心」と「身体」がついていかない…。そんな時は会社に嘘をついてでも休みをとるべきだと思います。
上司や周りの人間はあなたの休みを快く思わないかもしれませんが、あなたの状態はあなた自身が一番わかっているはずです。精神を削られ過ぎて立ち直れなくなる前に対処しましょう。
もうどうしても会社に行くのが嫌なら退職を検討するべきでしょう。もしも自分の口から言えないのであれば「退職代行サービス」を利用してください。あなたの強い味方になってくれるでしょう。
目次
バス運転手を辞めたいと感じる原因とは
なぜ多くの方がバス運転手を辞めたいと感じてしまうのでしょうか?まずはその原因を見ていきましょう。
人手不足が深刻
バス運転手の人手不足は深刻と言われています。実際、多くの路線バスが人手不足を原因に本数を減らしたり、貸切バスは車両自体は余っているにもかかわらず運転手不足から受注を断っているそうです。
この人手不足が問題となったのは2011年の東日本大震災の後と言われていますね。復興の需要によって資材を運ぶトラックなどの運転手をした方が、バスの運転手より待遇が良くなったため、現在のように人手不足が深刻化したとされているのです(そもそも若い人が減っているという事情もありますが)。
人手が不足しているということは、当然ながら現在働いている人にしわ寄せがいくわけで、バス運転手は長時間労働や休日不足などに悩まされがち。
その結果、さらにバス運転手を辞めてしまう人が増え、さらに労働時間や休日出勤が増え・・・といった負のループに陥っているようにも思えますね。
とおるくん
ゆかりちゃん
拘束時間が長い
先ほど紹介した人手不足の影響もあってか、バス運転手は拘束時間が長いことで知られています。そもそも、バス運転手には「中休c勤務」というやや特殊な勤務形態が存在するのも問題でしょう。
「中休勤務」とは以下のようなスケジュールで働くことです。
- 5時~11時:午前の勤務
- 11時~12時:昼休憩
- 12時~15時:3時間の中休
- 15時~18時:午後の勤務
上記のように、お昼休憩の後に3時間ほどの休憩が入るような勤務形態が中休勤務です。食事の後の3時間は仮眠をしてもOKですし、自由に過ごせるわけですが、正直、その休みをとるくらいなら早く勤務を終わらせて帰りたい方がほとんどではないでしょうか?
朝のラッシュ時間と夕方のラッシュ時間をカバーするためというのは分かるのですが、働く側にとっては拘束時間が長くて辛いですよね。
上記の場合は13時間拘束ですが、場合によっては15時間、16時間の拘束になることもあり、16時間の拘束だと1日の残りは8時間しか無いことになります…。通勤時間等々を考えると十分な睡眠時間も確保できませんね(中休で仮眠はとれますが)。
また、人手不足の影響か休みもろくに取れない方が多く、月に3日、4日しか休暇が無いことも珍しくないとか。
拘束時間が長いうえに休暇もろくに無く自分の時間が持てない。そんな地獄のような環境に嫌気がさしてバス運転手を辞めてしまう方もたくさんいるようです。
とおるくん
ゆかりちゃん
多くの人を運ぶプレッシャーがすさまじい
具体的な人数はバスの種類によって異なりますが、小型の車両でも、それなりの人数を乗せて運転することになりますよね。
このプレッシャーに耐え切れずに辞めてしまうバス運転手も多いと言います。
あまり考えたくはないことですが、急ブレーキによってお客さんが転倒したり、事故によって最悪の事態に・・・といった可能性もゼロではありませんからね。
特に多忙でろくに睡眠時間も取れていない状態だと、判断力の問題からトラブルを起こす確率は上がりますし、どうしても嫌な方へと思考が走ってしまいます。
常に誰かの視線を感じて気が抜けない
バス運転手が感じる視線は2つ。ひとつは言わずもがなお客さんからの視線で、実際には誰も注目していなくとも、何となく多くの方に後ろから見つめられている気分になり落ち着かないと言う声も見られます。
もうひとつの視線は、最近話題にあがることの多い「ドライブレコーダー」のものです。ドライブレコーダーは外側の映像はもちろんのこと、運転席なども基本は記録していますから、何かあれば自分の運転姿勢などがチェックされてしまうわけです。
つまり、いついかなる時も気が抜けません(実際は全ての映像をチェックすることは無いと思いますが、いつ何があるか分かりませんからね)。
こういった視線に窮屈さを覚えてバス運転手を辞めてしまう方もいるようです。特にドライブレコーダーが無かった時代からバス運転手をしていた人ほど、窮屈さにイライラすると言います。
時間を守れないとお客がイライラし始めて辛い
電車ほどではありませんが、バスも運行表から大きく外れてしまうのはまずいですよね。しかし、朝方や夕方は通勤ラッシュなどの問題から道路が混みがちですし、天候によって運転の仕方も変わってきますから、常に一定の時間にバスを到着させるのは不可能に近いです。
しかし、お客さん側からすれば、そんな事情は知ったことありません。運行予定から大きく外れていれば「この運転手は何をやってるんだ…」と考えてしまう人も出てくるでしょう。
こういったお客さんのイライラはバスのミラー越しに伝わってくるようで、そんなイライラに嫌気がさし、バス運転手を辞めたいと感じる方も多いとか。
また、何とか運行予定から大きく外れずお客さんを目的地まで届けたいと考える方も多いようですが、そういった方に限って焦りから事故を起こすとも言いますね…。
とおるくん
ゆかりちゃん
とおるくん
お客からクレームを受けることも…
バスは一度に大量の人を乗せるわけで、当然ながらクレームを付けてくる面倒な人もいます。たとえば、到着時間が遅れてしまえば「お前のせいで会社に間に合わないだろ!」と叱られたり、逆にバス停を早く通過してしまえば「時間通りに行ったのにバスがこなかった!」と怒られたり…。
正直、交通事情や天候で運行時間が左右されてしまうわりに、日本のバスはかなり正確に動いている方だとは思うのですが、バスに電車のような正確さを求める方がたくさんいるようです…。
また、一般車の割り込みなどで急ブレーキをかけた際、お客さんが転倒して怪我をしてしまうと「車内人身事故」という扱いでバス運転手が責任を問われるそうです。どう考えても一般車が悪くとも責任をとられ、クレームもつけられる。これでは「やってられるか!」と辞めてしまう方が多いのも当然のように思えます。
誰も「降車ボタン」を押さなかったため、バス停を通過すると、後から「降りるはずのバス停だったのに!」と理不尽な要求をしてくる方もいるそうです…。
とおるくん
ゆかりちゃん
とおるくん
トイレに行けるタイミングが無い
バス運転手はその性質上、トイレに行けるタイミングが限られています。まさかバス停に止めて「ちょっとトイレ行ってきます」と降りるわけにはいきませんからね。
これが辛いという声も少なくないですね。もっと言えば、「トイレに行く回数を減らすために水分の補給回数を減らさないといけないのが辛い」という意見もみられました。
何だか少しマヌケな話に感じるかもしれませんが、本人にとっては死活問題ですからね。
とおるくん
ゆかりちゃん
常に同じ姿勢なのが辛い
シンプルにずっと座って同じ姿勢をしているのが辛くてバス運転手に嫌気がさす方もいるようです。さすがに、この理由から辞めてしまう方は少ないと思いますが、辞める一因になる可能性はありそうですね。
なお、座りっぱなしの影響から腰痛を発症してしまう方が多いと言います。このことから、年配の方ほどこの理由から辛さを感じているようです。
給料が低いせいで辞めたい人も多い?
バス運転手と一口に言っても「観光バス」「路線バス」など種類がありますし、会社も様々ですから一概には言えませんが、一応、バス運転手の平均年収は440万円ほどと言われています。
平均年収440万円であれば決して少なくはないでしょう。しかし、どうにも給料の低さのせいでバス運転手を辞めたいという声が多くなっています。
どうにも長く勤めている方の場合は、景気が良かった時代に大きく昇給しているケースもあるようで、若者と年配の方で給料に大きな差があるのかもしれません。
また、給料自体はそう低くないものの、拘束時間や責任の重さなどを鑑みて「割に合わない!」と感じている方もちらほら。確かに、仕事内容を考えればやや多めに給料を貰ってもいいようには感じますね。
とおるくん
ゆかりちゃん
バス運転手を辞めたい…と感じた時に考えるべきこと
バス運転手を辞めたいと考えている方は、まずバス運転手の良いところや、やりがいを考えてみましょう。それでもダメなら、その時は退職を検討した方がいいかもしれません。
バス運転手の良いところを考えてみる
バス運転手を辞める前に、まずはバス運転手の良いところを考えてみてください。
- 拘束時間は長いけど体力的に楽
- 仕事内容もシンプル
- 回送になれば気楽
- 貸切バスなら様々な場所に行ける
- 乗り合いバスなら住民と仲良くなれる
確かに拘束時間こそ長い仕事ですが、仕事内容自体は運転が主でシンプルですし、常に動き回るわけでも無いので体力的には楽な方だと思います。
たとえば、バス運転手と比較されがちなトラック運転手なんかは重い荷物の積み降ろしがありますからね。対して、バス運転手が運ぶお客は自分の手で運ばすとも勝手に乗り降りしてくれます。
また、回送になってお客さんがいなくなってしまえば運転も気楽ですよね。それに、貸切バスの運転手なら仕事をしながらいろんな場所に行けますよ。
バス運転手のやりがいを考えてみる
次にバス運転手のやりがいについても考えてみましょう。
- 多くの人を目的地まで運ぶやりがい
- 乗客に感謝されることもある
- バスは誰でも動かせる乗り物じゃない
バスを運転して目的地までお客さんを運ぶこと自体や、時に感謝されることに対してやりがいを感じることは多いものです。
また、バスの運転手は誰でもできる仕事ではありません。「大型二種自動車運転免許」を持っている自分だからこそ務まる仕事。そう考えると、少し辞めるのが惜しくなってきませんか?
もし、それでも「辞めたい!」といった気持ちに変わりがないのなら、やはり退職して他の仕事へ移る方がいいのかもしれません。
それでもダメなら辞めることも真剣に考える
どんなにバス運転手の仕事の良いところを考えても、辞めたい気持ちに変わりがないのなら、早めに退職して他の仕事へ移る方がいいかもしれません。
嫌々でバス運転手の仕事を続けていてもストレスがたまり続けるだけですし、ストレスや疲労から事故を起こしてしまわないとも限りませんからね。
それに転職するなら早い方がいいというのは定番。あまりに歳を重ねてしまうと、どんどん転職が難しくなってしまいますよ。
ちなみに、バス運転手はとにかく人手不足が深刻ですから、もしかすると退職時に強い引き止めにあうかもしれません。
「引き止められて辞められない」「引き止めにあうのは面倒」「上司が怖くて退職を伝えられない」といった場合は、退職代行サービスの利用も検討してみましょう。
とおるくん
ゆかりちゃん
バス運転手を辞めたい!おすすめの転職先は?
バス運転手を辞めるとなれば、その後の仕事を探さなくてはなりませんよね。そこで、ここからはバス運転手から転職するのにおすすめの仕事を紹介していきます。
- トラック運転手
- タクシードライバー
- 接客業
- 工場作業員
トラック運転手
バス運転手からの転職も少なくないとされるのがトラック運転手です。バス運転手と同じく運転がメインの仕事ですから、今まで積み重ねてきたドライビングテクニックを存分に発揮できますよ。
また、バス運転手と違って人ではなく荷物を運ぶ仕事ですから、乗客によってプレッシャーを感じることも、乗客からクレームをつけられることもありません。
このような点からバス運転手に比べて気楽という方もいますね。平均年収がバス運転手とあまり変わらないのもポイントです。
タクシードライバー
同じくドライビングテクニックを活かせるのがタクシードライバーです。バス運転手と同じく人を運ぶことにはなりますが、決まった時間にバス停に到着するといった決まりはないため、その点ではプレッシャーを感じにくいでしょう。
ただ、狭い空間にお客さんと1対1になることも多く、人によってはストレスを感じがち。また、バス運転手に比べると平均年収が落ちるとも言われているため、転職の際は条件を入念に確認しましょう。
接客業
バス運転手としてお客さんと接するのは好きだった人なら、飲食店や家電量販店などの接客業に就くのもいいかもしれません。
ただ、運転が好きで、また運転に関わる仕事に就きたいと言う方には向きません。
工場作業員
お客さんを運ぶプレッシャー等はあるものの、バス運転手はバスを延々と目的地まで運ぶ作業を繰り返す仕事です。もし、繰り返しの仕事内容が好きという方なら、工場作業員などを検討してみるのも手でしょう。
作業自体は運転と大きく異なるものの、工場作業員も延々と同じ作業を繰り返すことが多く、またバス運転手と違って定時に帰りやすいといったメリットも持ちます。
とおるくん
ゆかりちゃん
バス運転手の仕事はきつい!辞めることも視野に入れよう
今回紹介したようにバス運転手の仕事はきつい部分が目立ちますね。人手不足が深刻化している事情もあり、もしかするとバス運転手の過酷さは年々ひどくなっていくかもしれません。
ですので、バス運転手が辛い、合わないと思えば早めに辞めて他の仕事へ移ることも検討してみましょう。運転が好きな方ならトラック運転手やタクシードライバーなど、同じく運転がメインの仕事に転職するのもいいですね。