このページで取り上げるのは、最近話題の「退職代行サービス」。
メディアでも注目度が高い退職代行(たいしょくだいこう)ですが、利用者が増える半面、「非常識だ」「迷惑がかかる」といった意見があるのも実情。
そこで退職代行のサービス内容や利用するメリット&デメリット、さらに退職代行サービスを利用することによって会社にかかる迷惑等について、掘り下げていきたいと思います。
今日はもうダメかも…
仕事に行きたくない…。行かなきゃいけないのは分かっていても「心」と「身体」がついていかない…。そんな時は会社に嘘をついてでも休みをとるべきだと思います。
上司や周りの人間はあなたの休みを快く思わないかもしれませんが、あなたの状態はあなた自身が一番わかっているはずです。精神を削られ過ぎて立ち直れなくなる前に対処しましょう。
もうどうしても会社に行くのが嫌なら退職を検討するべきでしょう。もしも自分の口から言えないのであれば「退職代行サービス」を利用してください。あなたの強い味方になってくれるでしょう。
目次
退職代行サービス(退職代行業)とは
ご存知の方もいるとは思いますが、退職代行サービスがどんなサービスなのか?まず最初に整理したいと思います。
退職代行サービスのサービス内容
話題の退職代行サービスとは、依頼者に代わって会社に「退職したい」と伝えてくれるサービスのことです。
退職代行サービスと聞いて、「退職くらい自分で言え!」「退職にお金を払うなんて…」など否定的な意見がある一方で、SNSなどに投稿された利用者の声は肯定的なものが大多数。
「辞めたい」と言っても受理してもらえない…上司が怖くて「退職したい」と言えない…など、辞めたいのに辞められない人がかなりの数いることが、退職代行が広まっている背景にあるわけです。
もちろん自分で退職の意思表示をするのがベストではありますが、実際に退職代行サービスに寄せられる相談の中には深刻な悩みも多いそう。そういった労働環境下の人を救うという意味では、退職代行サービスは価値のあるサービスと言えるのではないでしょうか。
退職代行サービスができないことについて
退職代行サービス業者(退職代行業)が対応できる範囲は退職の意思の『伝達』のみ。
退職したいと伝えてくれますが、例えば未払い賃金の請求やハラスメントの慰謝料請求といった交渉を行うことはできません。
弁護士以外の人が報酬を得る目的で代理交渉することは「非弁行為(ひべんこうい)」と呼ばれ、弁護士法でNGとされているため、あくまでも“伝える”ことまでしかしてもらえません。
例えば以下のような交渉したいことがある場合は、退職代行サービスではなく弁護士に依頼するべき。
- 未払い・不払いの賃金交渉
- 退職金の交渉
- パワハラやセクハラの慰謝料請求
- 残りの有給休暇の買い取り交渉
- 必要書類の代理作成(代書)
優良な退職代行サービス会社であれば、対応できない場合も適切なアドバイスをしてくれるでしょうし、必要に応じて提携している弁護士(法律事務所)を紹介してくれることもあります。
ちなみに退職代行サービスの中でも「SARABA(サラバ)」はちょっと珍しい「労働組合(ユニオン)」という形をとっています。労働組合は会社に対する団体交渉権を持っているため、他社ではできない交渉も可能。違法性のない交渉ができるのは大きなメリットと言えるでしょう。
とおるくん
ゆかりちゃん
退職代行を利用するケース・利用者とは
既に退職代行サービスを利用して会社を辞めたという人はたくさんいます。
退職したい理由は人間関係や労働条件など人それぞれですが、辞めたくても辞められない(辞めたいと言えない)ケースには次のようなものが多いのです。
【CASE1】退職を受け入れてもらえない
退職したいという意思を伝えたものの、「人手不足だから」「他にその業務をする人がいないから」などといった理由で受け入れてもらえないケース。
退職願を出しても受け取ってもらえず、いつまで経っても退職できないということは少なくないようです。
【CASE2】パワハラ上司への恐怖で退職を言い出せない
パワハラ上司・パワハラ経営者に退職を伝えたときの相手の態度・言動が怖くて退職を言い出せないという人も多いです。
パワハラ上司は日常的に高圧的で、気分によって態度が変わったり、人格を否定するような叱責をします。それが続くことで“嫌い”という感情を通り越し、恐怖心を抱くことに。この場合、そもそもパワハラ上司の存在が退職の理由になっていることがほとんどです。
【CASE3】退職時期は会社側が決めると言われる
人手不足の会社・部署に多いのがこれ。退職したいという意向は理解してもらえたものの、「退職時期については会社側で調整する」などと言われてしまい、結局いつまでも人員が補充されることもなく、退職させてもらえないというケースです。
労働者側は「今月辞めさせてもらえるのだろうか…」「〇ヶ月後には退職できるのだろうか…」と、常に不安と隣り合わせの辛い勤務になります。
【CASE4】入社して間もないため言い出しにくい
入社して数週間、また1~2ヶ月と早いタイミングで退職する場合、企業側にとってはそれほど痛手はありませんが、退職する側にとって気まずさは大きいと思います。
これは試用期間中に辞めるときも同じ。気まずさからなかなか言い出せないけど、会社は辞めたい。こういった状況で退職代行を利用する人もいるようです。
【CASE5】重大なミスをしてしまい今すぐ辞めたい
これは社会人として決して好ましくないケースですが、退職代行サービスを利用する人の中には重大なミスやトラブルが発生してしまい、会社にかかる迷惑なども考えて今すぐ退職したいという人も稀にいるようです。
またミスがきっかけで社内の人間関係が気まずくなったり、会社に居づらくなったことを理由に退職代行を利用するというケースも。
ただこういった理由で退職代行サービスを利用するのは感心しません。人間誰でもミスをするもの。大切なのはミスしたことに対して責任をもって対処し、反省することです。特にミスを隠したまま退職代行サービスを利用して辞めるようなことは絶対にしてはいけません!
とおるくん
ゆかりちゃん
退職代行サービスのメリット&デメリット
退職代行のメリットとデメリットを紹介します。退職代行サービスのメリットが以下。
- 100%に近い確率で退職できる
- 自分で退職したいと言わなくて済む
- 会社の人と顔を合わせず退職できる
- 退職代行会社によっては即日退職も可能
- 弁護士に依頼するよりコストが安い
現状、利用者が多い退職代行サービス会社の退職成功率は極めて高く、過去の成功率100%という会社も複数あります。よって恐らくですが依頼をすれば100%に近い高確率で退職することができるでしょう。
また依頼した時点から、基本的に会社への連絡はすべて退職代行サービス会社にお願いできるので、自分が連絡を入れることも、会社の人と顔を合わせることもなく退職することができます。
退職代行サービス会社を選べば、即日対応で退職に向けて動いてくれますから、相談したその日から会社に行かなくて済む場合がほとんど。また退職代行をしている弁護士もいますが、コスト面でも退職代行サービスの方が安いのがメリットです。
そして退職代行サービスのデメリットが下。
- 退職にお金がかかる
- 強制力がない
- 退職後に良好な人間関係が築けない
- 会社との交渉することができない
- 退職が癖になり繰り返す可能性がある
自分で退職したいと言うのはタダですが、退職代行サービスに依頼すると30,000~50,000円ほどの料金がかかります。
また例えば「依頼者本人には連絡せず、連絡があれば退職代行サービス会社を通して欲しい」とお願いしてもらった場合でも、法的な強制力はありませんから会社から連絡が来るようなこともあります。
さらに一般的な退職代行サービスだと、会社と交渉することができません(ただし労働組合の退職代行サービスの場合は一部の交渉も可能)。
しかし複数のデメリットがあるとはいえ、今すぐ会社を辞めたい人、辞めたくても辞めたいと言えない人、もう1日たりとも会社に出勤できない人にとって、即日退職できる退職代行サービスはデメリットを上回る利便性を持ち合わせていると思います。
退職代行を使うのは非常識?
退職代行サービスを利用して退職するのは非常識だという意見が多いのも現実です。
「社会人なら最後まで自分で責任をもって行動すべき」「直接退職したいと言いに来ないのは非常識」といった声は、恐らく今後もなくなることはないでしょう。また社会人として働いている人の大部分は、こういった意見を持っていると思います。
しかしながら、それができない職場環境もあるのです。
退職代行サービスを利用した人の多くが、一度は自分自身で退職の意思表示をすることを考えますし、実際に行動を起こしてみた人もたくさんいます。
それでも退職できない辛い現実があるからこそ、追い詰められて退職代行サービスに依頼をしたのです。
ということを考えると…非常識なのは退職代行サービスを利用して社員が辞めるような会社なのかもしれませんね。もちろん本当に退職代行サービスを利用した側が非常識だったというケースもあると思いますが、利用者がすべて非常識とは言い難いのではないでしょうか。
ゆかりちゃん
とおるくん
退職代行を使うのは迷惑?無責任?
退職代行サービスを利用することで、会社側には以下のような迷惑がかかることが予想できます。
- 引継ぎができない
- シワ寄せが他の社員に行く
- 後始末をしなくてはならない
- 急な人員補充をしなくてはならない
例えば社内でその人しか行っていない業務があったとします。そんな状況で急に退職してしまったら、その業務は今後どのように進めていけばいいのでしょうか?
また例えばルート配送など、自分の持ち回りの業務がある人が突如退職してしまったら、その穴を埋めるのは残った社員。穴を埋めるために残業が生じるかもしれませんし、もしかしたら徹夜作業になるかもしれません。
大企業ならともかく、中小企業であればギリギリの人数での運営しているところも少なくありません。多少余裕を持った人員配置に…というのは、はっきり言って理想論。利益を最大限に上げるため最少人数で業務を回している企業は多いです。
そんな会社で突然1人辞めたとなれば大騒ぎになりますよね。求人を出したからといってすぐに適任者が見つかるわけではないので、しばらくの間は誰かがカバーすることになります。
このように会社に迷惑がかかるのは当然のことなのですが、これも社員から「退職したい」という話が出た際にすみやかに対処し、社内規定に則った退職までの期間で人員補充をして引き継ぎをすれば良かった話。
もちろん企業側が悪いケースばかりではないと思いますが、企業側が出来たこともあるのではないでしょうか。
とおるくん
ゆかりちゃん
退職代行利用時に極力迷惑をかけない方法
繰り返しになりますが、退職代行サービスを利用して退職することで、多かれ少なかれ会社側に迷惑がかかってしまいます。
その迷惑を極力小さくするためには、「引継ぎ資料を作成しておく」「デスクやパソコンなどを整理しておく」「書類の送付などは速やかに行う」、この3点を実行しましょう。
業務内容や作業手順、取引先の連絡先、データの保存場所といったことをしっかりとまとめておくだけでなく、現状の問題点や課題などもまとめておくと良いでしょう。
またパソコンに保管してある情報を整理し、ファイル名も他人が見てわかるようにしておきます。もちろん自分が使っていたデスクを整理することも大切。
退職に際し、保険証など必要な物・書類の送付なども速やかに対応しましょう。
理由がなんであれお世話になった会社なのですから、できるだけ迷惑をかけないようにすべき。あとに残される人のことも考えて、できる限りの対応をしましょう。引継ぎ資料もなく突然退職し、残った社員がその穴埋めをする中でギスギスしてしまうなんて避けたいですね。
退職代行による会社側のメリットもある!
社員が退職代行サービスを利用して退職してしまった場合、会社側にはかなりの迷惑・負担がかかることが予想されますが、実は退職代行サービスという第三者が介入することによる会社側のメリットがあるのです。
それは『退職者と連絡が取れる』ということ。
例えば仕事が嫌になった社員が突然出社しなくなり連絡も一切取れなくなってしまった…いわゆる“ばっくれ”の状態になってしまったとしたら、かなり面倒だと思います。
病気や事故の可能性だってありますから何度も何度も連絡を入れなければならないでしょうし、必要に応じて内容証明を送ったり、身元保証人にコンタクトを取ってみたり…
手間を考えると結構なものです。しかし退職代行サービスを利用した場合であれば、基本的に退職代行を通してになるとは思いますが、連絡を取ることは可能です。
どうせ退職する人。実際、仕事に突如来なくなるという事例も少なくありませんから、それを考えると連絡が取れて手続き等をスムーズに行えるだけ、退職代行サービスを利用してもらった方が、ばっくれに比べれば随分と楽です。
ゆかりちゃん
とおるくん
利用者が多い人気の退職代行サービス
ここで今、依頼者が増えている人気の退職代行サービスを紹介します。
どの会社も相談は無料ですし、一律料金で追加費用は一切ない明朗会計でおすすめです。
SARABA(サラバ)
料金 | 相談 | 返金保証 |
---|---|---|
27,000円 | 無料 | あり |
退職代行SARABAは労働組合のため、他社では行うことができない“会社との交渉”にも対応可能です(退職日や給与振込などの交渉)。現時点で十分な実績があり、加えて交渉までできるのはSARABAだけ。もちろん弁護士なら交渉は可能ですが、料金が高いというデメリットが…ちなみに一般的な退職代行サービスが会社と交渉するのは「非弁行為」で弁護士法違反にあたります。場合によっては退職が無効になってしまう可能性があるので注意が必要です。
年中無休&24時間営業で、即日退職に対応してくれるのが、業界でも利用者数が多い「SARABA(サラバ)」です。
相談回数も電話回数無制限、さらに万が一のときの全額返金保証もついて、サービス料金は一律27,000円と、かなり良心的なサービス内容に。
さらにSARABAは「労働組合(ユニオン)」なので、他社では対応ができない交渉をすることも可能。退職日や給与振込の交渉までお願いすることができる大きなメリットがあるのです。
しかもSARABAは人材紹介会社と提携しているので、退職が完了したあと転職のサポートを受けることも。退職から転職までひとまとめにお願いできる、利便性高い退職代行サービスなのです。
SARABA(サラバ) | |
---|---|
即日対応 | 可能 |
対応時間 | 24時間 |
対応方法 | 電話、メール、LINE |
支払い方法 | 銀行振込、カード決済 |
運営会社 | 株式会社ワン ※退職代行の実行は退職代行SARABAユニオンが行います。 |
退職代行Jobs
料金 | 相談 | 返金保証 |
---|---|---|
29,800円 | 無料 | あり |
弁護士に加え、セラピストとしても活躍する多彩な弁護士が顧問弁護士を務めているのが「退職代行Jobs(ジョブズ)」です。
24時間対応で希望に応じて即日退職にも対応してくれる利便性の高さは、利用者にとってメリットだと言えるでしょう。料金も雇用形態に関わらず一律29,800円の明朗会計で、安心感が持てますね。
退職が完了するまで、LINEやメールでの相談は回数無制限で対応してくれるので、最後まできっと心強いのではないでしょうか。
退職代行jobs | |
---|---|
即日対応 | 可能 |
対応時間 | 24時間 |
対応方法 | 電話、メール、LINE |
支払い方法 | 銀行振込、カード決済 |
運営会社 | 株式会社アイリス |
ニコイチ
料金 | 相談 | 返金保証 |
---|---|---|
27,000円 | 無料 | あり |
過去4,000人もの人の退職代行を成功させてきたのが「ニコイチ」です。創業14年という実績は業界でもトップクラスですから、信頼性は高いと思います。
営業時間は朝7時から23時半まで。24時間の対応ではありませんが、例えば朝起きてやっぱり辞めたいという状態だったとしても、対応してもらえるでしょう。
サービス料金は一律27,000円と業界でもかなりリーズナブル。退職が完了するまでのフルサポートプランという良心的な料金設定になっています。
ニコイチ | |
---|---|
即日対応 | 可能 |
対応時間 | 7:00~23:30 |
対応方法 | 電話、メール、LINE |
支払い方法 | 銀行振込、カード決済、現金 |
運営会社 | 株式会社ニコイチ |
とおるくん
ゆかりちゃん
【まとめ】深刻な状況なら退職代行サービスもあり!
退職代行サービスを利用する人の中には、心身ともにボロボロでかなり深刻な状況だという人もいます。
仕事に苦労はつきものですし、何ひとつ嫌なところがなく毎日楽しい職場なんてありません。しかし我慢の限界に達してまでその会社で働き続けることにメリットはあるでしょうか?
退職代行サービスを利用することに対して、非常識などと批判する人は今後もいなくならないと思いますし、突然辞めることで迷惑がかかってしまいますが、精神的に追い込まれて取返しがつかない状態になることは避けなければなりません。
もし深刻な状況で限界が近いと感じているなら、退職代行サービスを利用するのが賢い選択だと思います。ひとまず本ページで紹介した退職代行サービスに相談してみてはいかがでしょうか。
とおるくん
