退職代行サービスの需要が増える中、司法書士や行政書士が退職代行を担当するサービスも出てきましたね。
そこで今回は司法書士や行政書士に退職代行を依頼するにあたって、どんなメリットがあるのか考えていきましょう。
司法書士や行政書士なら会社との交渉も可能なのか?司法書士や行政書士は料金が高いのか?などの疑問を解決していきます。
今日はもうダメかも…
仕事に行きたくない…。行かなきゃいけないのは分かっていても「心」と「身体」がついていかない…。そんな時は会社に嘘をついてでも休みをとるべきだと思います。
上司や周りの人間はあなたの休みを快く思わないかもしれませんが、あなたの状態はあなた自身が一番わかっているはずです。精神を削られ過ぎて立ち直れなくなる前に対処しましょう。
もうどうしても会社に行くのが嫌なら退職を検討するべきでしょう。もしも自分の口から言えないのであれば「退職代行サービス」を利用してください。あなたの強い味方になってくれるでしょう。
目次
司法書士や行政書士にも退職代行は依頼可能
近年、退職代行サービスの需要増加と共に司法書士や行政書士が対応する退職代行サービス会社も登場しているようです。
司法書士法に基づく国家資格。“身近な法律家”と呼ばれることもあり、裁判所や検察庁などへ提出する書類の作成や提出などを行います。また、認定司法書士は簡易裁判所において140万円以下の民事事件の代理行為が可能です。
行政書士法に基づく国家資格。“書類作成のプロ”と呼ばれることもあり、扱える書類の数は数千種類以上にも及びます。依頼者に代わって書類の作成や申請を行います。
役割は違えど、どちらも法律に対して一定以上の知識を有することから、司法書士や行政書士に退職代行を依頼すれば安心と言った声もあるようですが、それぞれ退職代行において出来ることは限られています。
「法律に詳しいから大丈夫」と高をくくらず、どの職業がどこまで交渉等を出来るのかを確認したうえで、自分に合った退職代行サービスを利用してください。
とおるくん
ゆかりちゃん
司法書士や行政書士は交渉可能?
知っている方もいるかもしれませんが、一般的な退職代行サービスでは会社への交渉が出来ません。
というのも、弁護士以外の人が会社と交渉行為(未払い賃金の請求など)をしてしまうと、「非弁行為」になってしまうのです。
弁護士じゃない人が「未払い賃金の請求」「パワハラに対する慰謝料請求」などの交渉をしてしまうことで、これは弁護士法に違反します。
ここで気になるのが「行政書士や司法書士も法律に詳しいけど、交渉はアウトなの?」といったことでしょう。これに関しては分かりやすく下記でまとめてみました。
- 弁護士:交渉可能
- 認定司法書士:140万円以下なら可能
- 行政書士:交渉不可
「認定司法書士」は司法書士の中でも、国の定める認定試験を合格し、法務大臣に認定を受けた人のことで、140万円までの民事事件を取り扱うことができます。対して、認定でない司法書士は書類の代理作成こそできるものの、法廷に立つことはできません。
司法書士については、国の定める認定試験に合格した「認定司法書士」であれば140万円以下の交渉が可能となっています。つまり、未払い賃金などの利益が140万円以下であれば、弁護士のように交渉をお願いできるわけです。
行政書士に関しては書類作成のプロではあるものの、交渉の代理人になることはできませんので、未払い賃金の請求などはお願いできません。もし行政書士が交渉をしてしまえば違法行為になってしまいます。
行政書士も法律に対して一定以上の知識を持っているはずですから、退職代行サービスのスタッフや監修としては大変頼もしい存在ながら、行政書士がいるから交渉も大丈夫、と言うわけではないのです。
なお、退職の意思を伝えるだけであれば非弁行為にはならないため、弁護士や認定司法書士でない退職代行サービスを利用しても問題はありません。ただ、未払い賃金の請求など交渉ごとを考えているなら、弁護士や認定司法書士へお願いする必要が出てくるでしょう。
とおるくん
ゆかりちゃん
退職代行は司法書士?行政書士?それぞれの特徴を確認
ここからは行政書士・司法書士・弁護士。それぞれに退職代行を依頼する時の特徴を見ていきましょう。メリット・デメリットも解説しますよ。
行政書士の退職代行の特徴
弁護士に比べると料金が安め
交渉行為は不可。そのため交渉が必要になれば弁護士や認定司法書士に改めて相談する必要がある
行政書士はあくまでも書類に関するプロフェッショナルであって、会社と交渉行為をすることはできません。交渉行為とは、たとえば以下のようなものです。
- 未払い賃金の請求
- パワハラ等への慰謝料請求
- 有給休暇の消化交渉
などなど。上記のような行為は弁護士法に違反しますから受け付けてくれません。そのため、退職時に会社との交渉が必要になった際は改めて弁護士や認定司法書士などに依頼しなおす必要があり二度手間です。
ただ、その分だけ弁護士などに比べると依頼料が安めに設定されていることが多いです。普通に仕事を辞めるだけであれば行政書士の方にお任せして問題ないと思われますので、特に交渉ごとが無ければコスパは最も良好でしょう。
また、行政書士は書類に関するプロ。退職時に必要な書類などに関して分からないことがあれば、アドバイスを貰うことも可能なはずです。
とおるくん
司法書士の退職代行の特徴
認定司法書士であれば140万円以内の裁判に対応してくれる
会社への請求額が140万円を超える場合は対応できず、弁護士へと再依頼することになる
司法書士の中でも試験に合格した「認定司法書士」であれば、140万円以下の交渉行為を行うことができます。
そのため、未払い賃金などを計算してみて140万円以下であれば、認定司法書士に依頼するのもありでしょう。弁護士に比べると料金が安いことも少なくありません。
逆に140万円を超える裁判になる見込みがあるのなら、初めから弁護士に依頼する方が手間は少ないと思われます。サービス残業が多いブラック企業勤めの方などは、請求額が予想以上に大きくなることもありますので気をつけましょう。
ゆかりちゃん
弁護士の退職代行の特徴
あらゆる交渉に対応してくれる
料金が高め
弁護士であれば140万円という上限なしに様々な交渉へと対応してくれます。そのため、サービス残業だらけのブラック企業を辞める際などは弁護士にお願いした方がいいケースも少なくありません。
また、未払い賃金などがいくらになるか、いちいち計算しつつ依頼しなくていいのもメリットですね。
ただ、行政書士や司法書士に比べると料金が高めに設定されていることも多く、初期費用の面で苦労することも。一般的に弁護士に依頼するには15~35万円ほどの費用がかかるケースもあると言われています。
とおるくん
ゆかりちゃん
行政書士・司法書士・弁護士の退職代行の比較表
ここまでで紹介してきた行政書士・司法書士・弁護士の特徴について、表にまとめてみました。
種類 | 交渉 | 料金 |
---|---|---|
行政書士 | 不可 | 安め |
認定司法書士 | 140万円以下のみ | 普通 |
弁護士 | 可能 | 高め |
※法律事務所などによって料金設定は異なります
やや大雑把ではありますが、簡単に言うと上記のようになります。
退職代行サービスに限った話ではなく、やはりリターンが大きいサービスについては料金設定が高めになりますね。
特に交渉の必要が無いのであれば行政書士に、しっかり未払い賃金の請求もして辞めるなら弁護士に。といった感じで、状況に合わせて依頼する会社(事務所)を選ぶのがいいでしょう。
とおるくん
ゆかりちゃん
とおるくん
ゆかりちゃん
司法書士や弁護士による退職代行を紹介!
最後に司法書士や弁護士などが対応・監修する退職代行サービスをいくつか紹介します。ほかにも探せば司法書士や行政書士、弁護士が運営している退職代行サービスは出てくると思いますが、ここで紹介する退職代行サービスは実績もあり利用者が多い会社(業者)なので、もしものときは頼ってみるといいですよ。
SARABA(サラバ)【行政書士】
料金 | 相談 | 返金保証 |
---|---|---|
27,000円 | 無料 | あり |
退職代行SARABAは労働組合のため、他社では行うことができない“会社との交渉”にも対応可能です(退職日や給与振込などの交渉)。現時点で十分な実績があり、加えて交渉までできるのはSARABAだけ。もちろん弁護士なら交渉は可能ですが、料金が高いというデメリットが…ちなみに一般的な退職代行サービスが会社と交渉するのは「非弁行為」で弁護士法違反にあたります。場合によっては退職が無効になってしまう可能性があるので注意が必要です。
「SARABA(サラバ)」は業界の中でも特に知名度の高い退職代行サービスで、きちんと担当の行政書士がついているようです。
しかも「労働組合(ユニオン)」の形をとっているので、ある程度の交渉ごとまで対応可能。他社ができない交渉ごとができる、非常に珍しい&便利な退職代行サービスなのです。さらに料金は安く、追加料金なしで27,000円(税込)となっています。
退職代行の成功率もほぼ100%と十分な実績ですので、退職だけを考えるならこれ以上ないくらいにおすすめです(“ほぼ”100%な理由は退職ではなく休職を選んだ方がいたからのようです)。
SARABA(サラバ) | |
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即日対応 | 可能 |
対応時間 | 24時間 |
対応方法 | 電話、メール、LINE |
支払い方法 | 銀行振込、カード決済 |
運営会社 | 株式会社ワン ※退職代行の実行は退職代行SARABAユニオンが行います。 |
Jobs(ジョブズ)【顧問弁護士の指導あり】
料金 | 相談 | 返金保証 |
---|---|---|
29,800円 | 無料 | あり |
「Jobs(ジョブズ)」は常に適正適法なサービス提供を行うため、顧問弁護士をつけて指導を受けています。
ちなみにJobsの顧問弁護士は、弁護士に加えてセラピストとしても活躍する多彩な人物。弁護士としてではなくセラピストとして、精神的に大きなダメージを負っている依頼者の気持ちに寄り添うWebセミナーも無料プレゼントしています。
24時間対応しているので、急を要する退職にも対応可能。依頼したその日から出社しなくて済むという安心感は、とても大きいことでしょう。万が一のときの全額返金保証も用意されている、良心的なサービス内容となっています。
退職代行jobs | |
---|---|
即日対応 | 可能 |
対応時間 | 24時間 |
対応方法 | 電話、メール、LINE |
支払い方法 | 銀行振込、カード決済 |
運営会社 | 株式会社アイリス |
汐留パートナーズ法律事務所【弁護士】
料金 | 相談 | 返金保証 |
---|---|---|
55,000円 | 無料 | 記載なし |
東京都中央区にある弁護士事務所(法律事務所)「汐留パートナーズ法律事務所」は、全国の退職代行に対応している退職代行サービスです。
弁護士運営でありながら料金は一律50,000円(税別)と、なかなかリーズナブルな料金設定となっています(退職代行のみ)。もちろん弁護士ですから、一般的な退職代行サービス会社が対応不可とされる有給消化の交渉や慰謝料請求なども対応可能。
交渉が必要な場合はオプション費として別途料金が発生しますが、その場合も着手金無料と良心的な料金になっています。
汐留パートナーズ法律事務所 | |
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即日対応 | 可能 |
対応時間 | 10時~21時 |
対応方法 | 電話、メール、LINE |
支払い方法 | 銀行振込 |
運営会社 | 弁護士法人 汐留パートナーズ法律事務所 |
退職代行は司法書士や行政書士でも可能!ただし交渉は限られる
弁護士はもちろんのこと、司法書士や行政書士に退職代行を依頼することも可能ですが、司法書士は認定の方で140万円以下の裁判まで、行政書士に関しては会社との交渉は無理、となっています。
そのため、会社への未払い賃金、慰謝料などの請求を考えているなら弁護士に依頼するのが無難かもしれません。
逆に退職したいだけであれば、行政書士の退職代行サービスなどでも問題ありません。
なお、退職代行サービスにもピンキリありますので、価格や実績、口コミ評判などをしっかり確認し、なるべく利用者が多く優良な会社を選ぶようにしてくださいね。
とおるくん